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SAGA国際法律事務所 のガイド

2016.07.11
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  • ミャンマーの商標権

ビジネスガイド 堤 雄史

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1.はじめに

 会社にとって自社のブランドや技術等を保護するために知的財産権に関する法律は重要である。しかし、知的財産権に関するミャンマーの法律は、ミャンマー著作権法(Myanmar Copyright Act, 1914)のみであり、それ以外に商標権や特許権等の知的財産権を直接的に保護する法律は存在しない。

ミャンマーはWTO(World Trade Organization)に加盟しているため、TRIPSルールにより各加盟国は2006年12月1日までに各種知財関連法の整備が求められていたが、ミャンマーを含むLCD(Least Developed Country)諸国は2013年7月1日までの猶予期間が認められていた。しかし、2013年6月11日にWTOは猶予期間を2021年7月1日まで延期することを決定した。もっとも、ミャンマー政府も知的財産権に関する法整備の必要性は認識しており、既にドラフトはWIPOの支援を受けながら何度も作成されており、間もなく成立するという報道も多いが、具体的成立時期は未定である。

したがって、商標法はミャンマーに存在しないため、専用権や禁止権を有する商標権は存在しない。しかし、登記法や刑法等により一定の保護が与えられている。また、不正に商標を使用する者に対してコモンローの原則に基づき損害賠償請求を行い得ると解されている。

 

 

2.刑法上の保護

(1) 定義および概要

刑法は、商標を定義しており、特定の者の製品または商品であることを示すため使用する標章を商標という旨規定している(刑法479条)。その上で、商標の不正使用等一定の場合には刑罰を科す旨規定し、それにより一定の商標侵害に対処している。

 

(2) 処罰対象となる行為

自己以外の者の製品または商品であることを合理的方法により信じさせるために、物品、包装、容器等に商標を付すことは、商標の不正使用とされる(刑法480条)。商標を不正使用した者は、1年以下の禁錮、罰金またはその両方が科せられる(刑法482条)

自己以外の者の商標を侵害する行為は、2年以下の禁錮、罰金またはその両方が科せられる(刑法483条)。

商標を侵害する目的で、金型、金属板、その他の道具を作成または所持する行為は、2年以下の禁錮、罰金またはその両方が科せられる(刑法485条)。

侵害商標を付した物品等またはそれらの包装や容器の販売、展示、または製造等を目的とした所持は、一定の場合を除き、3年以下の禁錮、罰金またはその両方が科せられる(刑法486条)。

 

 

3.登記法上の保護

(1) 登記手続

 登記法18条(f)および登記指令13に基づき、商標の登記が認められている。ミャンマーにおいては、先使用の原則が採用されており、最初の使用者が優先して登記する権利を有する。

商標の登記は必要書類および情報を農業灌漑省管轄の証書登記事務所に提出して行う。具体的な流れは以下のとおりである。

 

 図1

 

 

特許・意匠・商標の登録は出願登録ではなく、権利者であることを宣言し、その宣言書を証書登記事務所に登記するというやり方で行われ、特許・意匠・商標とも、手続き的には同様の流れである。

 なお、商標が道徳または法律上の理由で好ましくない恐れがある場合、またはミャンマー国民の特定の層の宗教的感情に害を及ぼす恐れがある場合等の一定の商標の登記は認められない。

 

(2) 登記の効果

商標を登記したとしても、登記者が商標の所有者と看做されるわけではなく、登記を行っていることを理由として直ちに差止め等を行うこともできない。しかし、商標を不正に使用された場合等に裁判を提起した場合、登記の事実が所有権の立証のための有力な証拠の一つとして取扱われる。

 

 

4. その他の法律

ミャンマー商品標章法(The Myanmar Merchandise Marks Act, 1889)は、商標の定義について刑法478条の定義を引用している(ミャンマー商品標章法2条(1))。上記2において述べた刑法上商標の不正使用等を理由として処罰される場合、裁判所は商標に関する違法品を没収できる(ミャンマー商品標章法9条)。

海運関税法(Sea Customs Act, 1878)は、陸路または海路による商標侵害の物品の輸入を禁止している(海運関税法18条(d))。

特定救済法(The Specific Relief Act, 1877)は、財産の権利者は当該権利の侵害者または侵害の意図のある者に対して訴訟を提起でき、裁判所は所有権の確認を宣言できる(特定救済法42条)。また、財産の侵害を防止するために、裁判所は永続的差止命令を発令し得る(特定救済法54条)。同条の財産には商標が含まれる。

 

 

5.望ましい対応

 登記法上の商標の登記は上述のとおり、完全な権利の保全手段とはならないが、現在のミャンマーの法制度上採ることができる有効な手段であり、今後商標法が成立した暁には、円滑に商標法上の登録ができるような制度が検討されている。また、中国において多くの問題が生じたように、ミャンマーにおいても先に多くの商標を取得する企業や個人が現れる可能性があり、その際に当該商標の取消や譲渡を求めることは手続き的、時間的、金銭的に大きな負担となる。ミャンマーにおいて自社の商標の権利を主張するためにはミャンマーで登記する必要があり、ミャンマーに会社を設立していない状態であっても商標の登記は可能であることから。ミャンマーに進出を検討している企業及び進出済みの企業は商標の登記を行うことが望ましい。

 

SAGA国際法律事務所はミャンマーの登記法に基づく商標登記も取り扱っているため、登記を希望される場合にはinfo@sagaasialaw.comにご連絡下さい。なお、タイにおける商標の出願もTNY国際法律事務所で取り扱っており、その場合にはinfo@tny-legal.comにご連絡下さい。

 

 

 

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