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【特別インタビューVol.10 EGL Tours Co., Ltd. 袁 文英】 2016.06.29

【危機にこそチャンスがある。香港から日本へ最も送客している旅行会社】

2015年の日本への送客数164,979名(香港から102,460名、マカオから62,519名)、ツアー実施数3,585件、貸切チャーター便数41便。EGL Toursは1997年から20年にわたり最も香港人を日本に送客している旅行会社である。袁会長のもとには日本からも毎日のように来客があり、65歳を迎える今も月曜日から日曜日まで働く。そんな日々を袁会長は「幸せ」という。今年で30周年を迎えたEGL Toursの会長袁さんに話を伺った。(インタビュー2016年5月5日) ※以下本文では親しみを込めてあえて”袁さん”と表記させていただきます。

 

■袁さんと日本の出会い

 

袁さんが初めて日本に渡ったのは、今から44年前の1972年。当時は日本人と共に暮らし、日本を体感するための3ヶ月を過ごした。香港に戻ってから2年後、再度本格的に日本語の勉強をするために来日。関西国際学友会で半年間日本語を学ぶ。それから2年後にもう一度関西国際学友会に行き半年間日本語を学んでいる。

 

■香港でのツアーガイド時代

 

香港の旅行会社に就職した袁さんは、当時香港への旅行が多かった日本人のツアーガイドをしていた。しかし、博打が大好きだった袁さんは度々マカオに行ってはお金を使い、気づけば通帳の貯金は3桁しかない。ここのままではまずいと思った袁さんは、「香港から離れればマカオに行くこともなくなる」と考え再び日本へ行くことを決意。

 

■日本でEGL Toursを創立

 

1986年、日本へ渡った袁さんは7人の発起人と合弁で会社を設立。ラウンドオペレーターとして、香港の旅行会社から送客される香港人の日本側のアレンジを全ておこなっていた。しかし危機が訪れたのは1995年。円高と震災(阪神・淡路大震災)だった。当時は1USD 78円、その上震災の影響で日本への旅行客は急激に減った。「どんなに値段を安くしても、香港の旅行会社は日本へ送客しようとしませんでした。仕事が減り、まさに危機的状況でした」。そんな中、この危機にチャンスを見出した。

 

■香港の地にEGLの旗をたてる

 

「”危機”とは字のごとく、危険な機会。しかしその中にこそチャンスがある。」香港の旅行会社が見向きをしなくなった日本行きの国際線はがらがらだった。まだ小さかった袁さんの会社は通常であれば、航空会社に席をもらおうとしても相手にされない。しかし、このときばかりは航空会社も「席をあげる」と言ってくれた。「今では”席をあげる”という表現はされません。しかし、あのときの喜びは今でも忘れません。」

 

日本でラウンドオペレーターをしてきた袁さんは、日本のホテルもレストランも観光バスも、旅行に必要なものほぼ全てを直接手配することができる。それが強みになった。

 

そして袁さんは社長でありながら、電話のオペレーションをし一生懸命旅行商品を売り込み、また、香港の全ての病院、学校、銀行などをまわりスタッフや学生用の割引プランを提案し、ガイドまで丁寧におこなった。袁さん(当時のニックネームはピーター)の名前は広まり、「こんなサービスは受けたことがない」、「ピーターに会ってみたい」と評判になり、客が客を呼んできた。

 

■旅行会社の価値

 

個人旅行が増え、LCCが躍進してきた昨今、旅行会社の価値はどこにあるか。「たしかにLCCが旅行会社に与える影響は大きい。チケット販売会社にはもっと大きな影響があるでしょう。お客様が自分でフライトの情報を入力し、予約をして決済をする、企業側の手間は大きく省けます。ときには私が会社までタクシーに乗ったときにかかるHKD80で、日本行きのチケットが買えることがあります。これには驚きます。」

 

しかし、旅行会社だからこそ提供できる価値がる。「私たちは利便性と感動を提供することができます。例えば、テーマパークや交通機関のチケットは、通常現地の窓口に並び引き換えをしなければなりませんが、私たちの手配するチケットはそのまま入場ができます。レンタカーの手配では、単に価格の高い、安いでなく、しっかり保険の内容まで精査をし、お客様にとって最も安全なプランを提案します。そして何より、ガイドの存在があります。ガイドはバスに乗っている全てのお客様の名前を覚え、語りかけることができます。お客様はこのことに驚き感動します。私たちはガイドの精神教育に大変力を注いていでいます。」

 

 

■EGLの社風

 

スタッフ一人一人に“人”として尊敬して接する。これがEGLの社風の基礎になっている。先日おこなわれた30周年記念パーティでも、スタッフを全員起立させ、社外の参加者全員から拍手を送る場面があった。ここにも袁さんのスタッフへの思いが表れている。新入社員を募集するときも普通ではない。「香港の親は、子どもを大学まで行かせたらHSBCに行って欲しいと思うんですよ。そのため大学で会社説明会をおこなうときは、生徒だけでなく親にも来てもらうようにお願いしています。」そして、会場には袁会長、スティーブ副社長自らが出向き、質問に応じ、会社の方針をしっかりと伝える。ときに大学の卒業生の社員も登壇し説明をおこなう。こういった姿勢をもって親の理解を得、志の高い社員を獲得している。

 

また、ガイドの育成においては、入念にプログラムを組んでおり、東南アジアのツアーの添乗員、台湾や韓国のガイドの経験を経たうえで、「最も旅行者の要求が高い」という日本のツアーガイドの資格を与える。さらに日本の場合は「日本語」の習得も必要になるため、留学支援もしており、ここでも袁さんの社員への信頼が表れている。「普通は留学してから3年や5年は転職してはいけない、という契約を結びますが、私たちはそのような契約は結びません。それでもやめていく人はいません。」

 

晴れて日本語も習得し帰ってきた社員とは、年に一度、”親”を招待した食事会を開催している。親は一人前のガイドになって帰ってきた子どもをみて喜び、EGLで働いていることを誇りに思う。この食事会は「親孝行」の場であり、家族の理解を得る場でもある。
EGLという会社はこのようにしてつくられている。

 

 

■鉄人・袁さんの生活スタイル

 

今年で65歳を迎える袁さんの生活スタイルはどんなものか。「昼も夜も来客でいっぱいです。食事があれば昔は2:00までいっていましたが、今は21:30か22:00には終えるようにしています。お酒を飲んで酔っ払っても、朝は早いです。」
起床は5:30、そして5:40には散歩・ランニングにでかける。6:50頃に家に戻り、朝食をとる。「運動は大事です。新陳代謝が良くなります。」という袁さんはプールでも30分間休みなく泳ぐことができるという。
そして、7:50には出社し、電話のない9:30頃までの時間が自分の仕事をできるとても貴重な時間となる。

 

月曜日から土曜日までこのスケジュールであり、日曜日は10:00に出社し13:00に退社。そして、「家族との時間はお金にかえられません。」という袁さんは、日曜日の夕食は必ず家族でするようにしている。さらに食事のときは携帯電話を絶対に見ない決まりになっている。「今は家族で食事に行っても携帯をみている人が多い。以前、隣のテーブルの6人家族が全員携帯をいじっている光景をみました。あれでは食事の味もわからないし、頭もやすまりません。」

 

最後に、袁さんと名刺交換をしたことのある方のもとには毎年手書きの年賀状またはクリスマスカードが届いていることだろう。この手書きのカードの送り先は今年で10,000枚を超えたという。「年初から書き始めないと間に合いません。笑」日曜の午後や、出張で移動中の機内で1枚1枚丁寧に書きあげている。

 

 

 

 

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